遺言書7つの誤解 その3:『遺言書を書くにはまだ早い』

多くの人は自分の終わりを考えるときにこう希望します。

「ボケたり寝たきりになって子供に迷惑をかけず、
 病気が見つかって、余命があとどれだけかがわかったら、
 身の回りのことを整理しはじめて、家で家族にみとられて人生を終えたい」

……これはあくまでも希望です……残念ながら。

本当は子供ができたら(※子供がいない人は遺言書必須!です)、
家を建てたら、事業をしていたら、すぐに考えなければならない問題であるのですが、
どうも引退して、病床に伏したら考えようという方が多すぎます。

TVで出てくる遺言を残す側の役の人や、市販されている本の挿絵などがあまりに、
“おじいちゃんおじいちゃん”しているのが誤解を生んでいる大きな理由の一つでしょう。
 


公正証書遺言は、認知症または判断能力が落ちている、と判断された場合作れません。
(あくまで作るのは公証人の先生です)

たとえ自分で遺言書を書いたとしても、無効や、破棄されてしまう可能性もあり、
「そのころはもうボケていた」と言われれば、
裁判所の出番となり、最終的に遺言は無効になる可能性もあります。

まず、重病になった場合、
自分の日々食べること生きることで精いっぱいとなり、よほどの事情がない限り、
書類を集めるどころか財産は何がどこにあり誰に上げよう…なんて考えている余裕はなくなります。

なにより、突然死。
死なないまでも、認知症や脳疾患になったら……

ですので心身ともに元気なうちに作ることが大切です。

ちなみに遺言書は15才から作ることができます。

 

 →→誤解その4 「遺言書なんて縁起が悪い」

 →→法定相続人と法定相続分