“遺産”分割とか財産“調査”・相続人“調査”っておおげさな気もするけど?

 「遺産なんていうほどないからなんとか簡単にすませられない~?」 

「調査調査って探偵事務所か!」

 

…いやいや人が亡くなってるんですから50万でも10億でも

それなりの書類群や実印は必要なんです!

 

 1.遺産分割

 2.相続人調査・確定

 3.相続財産調査・確定

 

1.『遺産分割』

遺産分割とは、

亡くなった人に相続人が複数いる場合、残った財産を各相続人のものにする手続き、名義変更のことです。

 

“遺産”というとすごい莫大でお金持ちのイメージがありますが1000円でも遺産ですから。

 

人が亡くなると、その人が所有していた財産は、相続財産となり相続人全員の共有となります。

この財産を相続人の全員が話し合いによって具体的に誰が何を相続するかを決めます。

この話し合いを遺産分割協議といいます。

具体的な遺産分割協議は相続人・相続財産が確定されてから進めます。

 

話し合いを進めるにあたり、以下のことを先に決めておかなくてはなりません。

 

 

2.『相続人調査・確定』(戸籍収集)

 

遺産をもらう権利のある人、いわゆる相続人が誰かを確定しておかなくてはなりません

 

「相続人は妻の私と2人の子供たちだけですから~」なんてことは初対面の窓口の人は知りませんし、

「戸籍等の公のもので証明しなさい」ということです。

 

そのためには、被相続人の出まれた時から亡くなった時までの戸籍を調べ上げていく作業が必須となります。

 

 相続人の中に未成年者が含まれる場合もあります。

その際は、子の特別代理人を決定しなくてはなりません。

親族の中、もしくは他から全くの中立な立場の人を選んで、家庭裁判所に申し立てを行います。

 

他にも行方不明の人がいるかもしれません。

その際には戸籍や住民票を根気強くたどって探していかなければ、

その人抜きでの遺産分割協議は無効になってしまいます。

もしどうしても見つからない場合はその人の代わりになる人を裁判所を通して決める必要があり、かなり複雑になります。

 

ちなみによくあるのは前に結婚していた時の子供がいた、というケースです。

 

 

3.『相続財産調査・確定、相続財産の評価額確定(財産調査)』

遺した財産は何があるのか、ひととおり調べ、更に土地や家等も含め評価額を調べ上げます。

 

財産の評価は、遺産分割を行う時点での評価となります。

銀行やゆうちょ等は被相続人が亡くなった日付の口座の残高証明書、

土地・家等の不動産は固定資産税評価証明書を発行しいくらかを出します。(相続税計算には路線価や倍率方式を使用)

 

漏れがあってはいけないので土地を持っていそうな市区町村の名寄せをみたり

使っていた可能性のある銀行や証券会社をしらみつぶしにあたることもあります。

過去お手伝いした中、預貯金で一番漏れが多いのはゆうちょ銀行です。

 

しかし、なにより怖いのが借金やローン、保証債務もマイナス財産としていれなければなりません。

(公共料金や税の未払い、入院治療費なども含まれます)

 

借金の取り立ては亡くなってからしばらくたって(相続放棄期限の3か月は当然)、

1年以上あとに遺産の解約や名義変更が終わったころをねらってきたりするので相当注意が必要になります。

 

プラスでもマイナスでも財産ですから、亡くなった方宛にきた郵便物は端から端までチェックしなければなりません。

 

 →相続税納税者は全体の7%の誤解

 →お墓や仏壇を誰が継ぐか