中小企業経営者の相続問題
売上げや資金繰り、集客、従業員教育、給与、社会保険から様々な税金まで……
ただでさえ経営者の方々は、日々会社のことでいっぱいなために
どうしても後回しになったり、会計顧問がなんとかしてくれるだろう……と
手つかずになってしまうのが相続対策です。
だいたいどうにもなりません。なんとかしてもらえないのが普通です。
顧問料の中だけでできる仕事じゃありません。
では、
その経営者の方が何も対策をしないまま、
亡くなって相続が発生したらどうなるか?
不動産、自社株、会社への貸付金、借入れのための担保等々……
経営者の方々はその財産の大半が会社関係であることが多いです。
また、退職金などもらった一般の元サラリーマンよりも預貯金が少ないことはザラにあります。
(なぜ社長さんなのに預貯金が少ないかは、当の本人が一番ご存知でしょう。)
当然、身内の方が後継者であればその会社に関する物はその後継者が相続しなければなりません。
逆に、会社に関係のない相続人は、会社に関する物は必要ないから預貯金だけ相続できればよい、となります。
一般の家庭にあてはめると、
親と同居している方は、自宅を相続しなければ住むところがない。
実家を出て家庭をもっている相続人は、自宅はいらないから預貯金だけ相続できればよい、という図に似ています。
よくあるケースで例えば、3人兄弟で長男が後継者である会社。
預貯金を3000万円、自社株のすべて5000万、自宅と会社の不動産1億の
総額1億8000万円を持つ父である社長さんが亡くなったら、どうなるか。
(数字を簡単にするため、相続人は子3人、貸付金や事業資産、借金他のものは考えないものとします)
長男は後継者なので、不動産と自社株をすべて相続しないとならない。
次男と末弟は、会社の物は必要ないから相続分である3分の1をもらえればよい、と普通はなります。すると
長男・・・1億5000万円
次男・・・1500万円
末弟・・・1500万円
法定相続分をそれぞれ6千万円と考えて弟の2人が相続分を主張した場合、
Q.長男は2人の不足分合計9000万円をどうすればよいのでしょうか?
1.弟2人に「現金はこれ以上ないので勘弁してくれ」と頼む。
2.自社株を分ける。(まだまだ足りませんが)
3.不動産の持分を共有にする。
4.不動産を売って現金を分ける。
5.会社存続自体あきらめる。
6.その他
あなたがこの長男の立場だったらどう考えるでしょうか。
実際には、貸付金がある、借入れがある、不動産に担保がついている……等はるかに複雑です。
ちなみに、話がまとまらないと、相続税を3人合わせて約2000万円現金で払うことになります。
→→事業承継の重要性
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