事業承継とは必ずしもその子に事業を引き継ぐことではありません。
会社経営の存続において最も重要なことは社長が、先代が築き上げた(おそらく家族よりも多くの時間を共に過ごした)
その事業をふさわしい後継者に引き継ぎ、その結果家族、従業員他、事業に関係する人々ひいては社会に貢献していくことが課題です。
経営に関してはやり手である社長さんは自分が引退をしたくないのか、信頼できる後継者がいないのか、どうしても事業承継についてはまだ手をつけていないケースが少なくありません。
もちろん、事業承継対策の重要性は十分に認識しているはずですが、日々の業務が優先となってしまい、どうしても後回しになってしまっているのが実情ではないでしょうか。
事業承継についてあまり真剣に考えず、「その時が来たら」とその場しのぎで経営をしていれば、いずれ間違いなく衰退の一途をたどっていくことになります。
会社経営とはなにか。事業承継とはなにか。
事業承継は先代社長と次期後継者のためのものでしょうか?
1.会社経営の存続と発展のため
2.会社内外の信用と安心のため
3.内部紛争と争族を防ぐため
4.結論
1.会社経営の存続と発展のため
会社経営で最も重要なことは、その事業・経営の安定とさらなる発展です。
新しい世代にバトンタッチすることで、時代に合わせて商品開発をして、新規事業も取り入れて会社が発展する。
とりあえず、事業は承継したけれど、結果的には経営不振になってしまったということになれば意味がありません。
もしかしたら家族よりも多くの時間を費やして先代が育て上げた事業を最も相応しい後継者に引継ぐと同時に、
その後継者がその事業をさらに成長させていくことが大切です。
2.会社内外の信用と安心のため
社長がある程度高齢になってきて、事業承継の時期を迎えているにもかかわらず、
相変わらず一人で仕切っている、あるいは何も考えていない、これからの世代に引き継ぐ具体的な一歩を踏み出していないとしたら、従業員や取引先はそれをどのように感じるのでしょうか。
このまま会社は先代とともになくなるのだろうか、会社はいったい今後どうなるのだろうと
日々不安を持つのではないでしょうか。
社長や後継者の口から実際に
今後の会社経営に関すること、事業承継に関することがはっきり宣言されることで安心して働けるはずです。
もちろん、取引先についても今後の付き合いの上で同じでしょう。
事業承継対策の大きな目的の一つには、内部外部含めたその事業の関係者に安心を与えます。
3.内部紛争と争族を防ぐため
過去にも大きな上場企業では「お家騒動」のようなことがメディアで取り上げられてきましたが、これはまさに氷山の一角です。事業承継では、後継者や従業員、取引先だけが関係するわけではありません。
自社株や不動産、事業用資産それらの財産は多くが相続にも関係してきます。
それまでは経営と全く無縁であった親族やその関係者が相続をきっかけに口を出してくることもあります。
経営者は常日頃から、こういった経営と事業に関係する人たちを守ることを考えておかなければなりません。
思わぬ内部紛争が起これば、精神的にも時間的にも大きな負担となり、なにより資金的にショートする可能性が高くなり、
会社経営自体の存続の危機となります。
4.結論
事業承継対策は時間がかかりますが、仕組化することで多くの問題が解決できます。
それを自覚し実行することから始まります。
会社内外が混乱する前に社長が率先して、早めの事業承継対策に早めに取り組むことが何より大切なことです。
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