人が亡くなってその財産の分け方を決めなければなりませんが、もめる理由ってもう様々です・・・
がどうやら傾向があるのでまとめてみました。
裁判所の相続分割事件全体のうち、相続財産が5,000万円以下でもめている件数が、なんと全体の4分の3、また1000万以下の遺産で争う件数は3割を超えます。 ~最高裁判所の「司法統計年報」平成23年より
財産の多さや相続税云々はいかに関係ないかが伺えます。 |
・権利意識の増大と関係の希薄化
TVをはじめとしたメディア、調べればなんでも出てくるネットの普及により個々の権利意識が大きくなり、
核家族化、マンション暮らしによる実家離れ、家族行事の減少で関係が希薄になっているのが最大の原因です。
・預貯金が少ない
はっきり言ってしまうと元も子もありませんが、
ちょうどそれぞれが教育資金や運転資金、住宅ローンが重なっていたりする時期だともらえるものはもらいたい、
相続で大金が動くのは基本2回(両親)しかないので期待しているうちに、結局これしかもらえないの、となります。
実家の不動産がある場合は、代々の土地は守ろう派と売って現金にしよう派で争います。
・1人が仕切って相続手続きを行う。
任せる、と最初は言ったものの、他の相続人はいわれたままハンコを押していくだけで、
財産すべての開示や手続きの進捗報告がなかったり、
流れがみえないまま時間が経てば経つほど疑心が生まれ、やがて不信に変わっていきます。
ハンコを押すのに協力しなくなれば、口座の解約や不動産の名義変更もできなくなり、そのまま放置することに。
・同居・親の介護があった
親と同居して介護していた場合、実家を出て行った他の人とは別格の苦労があります。
お葬式や今後の法事、供養も大変です。
嫁いだ、遠方に住んだ、仕事が忙しくて手伝えなかった等いろいろな理由はあるでしょうが、
逆からすれば「住むところに困らなかった」「親の金で生活することができた」を言い分としてどちらが悪いとは決められません。
また上の、1人が仕切るのと連動して、財産を隠している、使い込んでいると疑われることも多くあります。
・生前の不公平があった
「遺産の取り合い」は「愛情の奪い合い」と言われたりもしますが
大学をはじめとする学費の事、結婚や旅行で出してもらった費用、独立するときの開業資金や借金を肩代わりしてもらった等々、今さら・・・ということもネタになります。
・死人に口なし
「実家の家土地はあげると言われていた」「財産は全部任せたと言われた」等、
本当に言ったのか、きまぐれで皆に言っていたのかはもはや亡くなった本人しかわからないですが、
ここぞとばかりに出てくることも。家督相続の風習が強い地方だと、いまや男性と女性の認識に大きな差があります。
・相続人以外の人が口を出してくる
その配偶者や親戚など相続権が全くない人が、あいまいな知識と興味本位で出てくることがあります。
もっともその配偶者にとっては、生活資金はじめ今までの事情など切実なことかもしれませんが。
上記がもめる理由の多くですが、まとめるとズバリ次のようになります。
主な財産は実家のみの親と同居していた長男が、
葬儀の延長で手続きを1人で進め、
初めてのことなのに専門家を入れないからモタモタしているうちに、
配偶者など関係ない人にせかされた他の相続人が文句を言い始めるが、
「実家や財産は自分が任されてる」と主張するからもめる。
さらに一言でいうと・・・
相続対策をしていないからもめる。
→→特別受益と寄与分
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