相続対策の優先順位

『相続対策』と聞くと、

うちはそんなにないから・・・、あるところは大変だねえ・・・

と特に税金の事ばかりがクローズアップされがちです。

特に今年は相続税の基礎控除が6割減ったのもありHOTな話題ですね。


当事務所にくる相談でも

「相続税を妻や子供たちに払わせたくないからなんとか対策したい」というものが多く、

ネットなどで調べたらしい資料などごっそり持ってくる方もいらっしゃいます。

「遺言書や家族会議などはどうなっていますか?」と聞くと

それらに関しては全くノータッチだという・・・・

 

そういう方には必ず聞くことがあります。

 


 だいたい皆さん共通点があります。

 ・自宅以外の不動産を持っていて家賃収入がある

 ・相続問題を初めて経験する社長さん

 

 そして一昔前、土地神話があったころの相続対策をしたがります。

 例えば、競売物件購入、不動産用の会社設立、名義預金・・・

 

 

まず相続対策として一番初めにすべきことは

①相続人は誰で基礎控除はいくらなのか

②相続財産は何があって評価額はいくらになるのか

③(今)自分が亡くなった場合もろもろどうなるか

を把握することです。


土地補正がどうとか関係なく本当にザックリでかまいません。

一度試してみてください。

 

1.争続対策

だれに何を継がせるか?継がせることでの問題はあるかないか?各相続人の関係・現状はどうなっているか?

そしてそれを確実に継がせる方法は?

 

それらがありきで、

基礎控除を超えて相続税が発生するようならば

 

2.納税対策

各相続人に払える余裕はあるか?

 

ないならばどうするか、ということで

 

3.節税対策

生前贈与、資産投資、生命保険等での対応などなど・・・

 

間違いなくこの順番です。

 

遺産の分け方が決まっていないと(例:遺産分割協議書の作成、署名捺印、公正証書遺言等)

解約も名義変更もできません。小規模宅地の減額特例等も利用できません。節税どころか納税にも進みません。

 

この時代にそぐわないようなネットでの対策情報や都市伝説的なものを聞きかじって、裏目になる相続対策をした結果

家族がバラバラになったり、追徴課税を払ったりするケースが後を絶ちません。

 

相続税であれば税務署は

亡くなった方の通帳は当然、相続人たちの預貯金の動きや窓口での書類の筆跡、過去の職業などからの収入や不動産売買に関する動きまで職権で全部調べた上で動きます。

 

一般の方が、資料をたくさん集めていろんなことを5年かけてやって

「1000万の相続税が500万になりました」・・・って

それだけ前向きでお元気なら1000万稼ぐ方が早いですよ。

 

 

そういう節税対策ばかりの方たちに必ず聞くことがあります。

 

「あなたが本当に守りたいものはなんですか?」

 

お金にしか目がいかない相続なら犬神家で十分です。

 

   →→法定相続人と法定相続分

  →→相続遺言相談あるある