老々相続は危険だ!

60才といえば原則定年、本来介護される立場にまわるはずなのに、

この超高齢社会では、いまだ親の介護をする「老々介護」が増えていく一方です。

それとともに増えているのが「老々相続」です。

被相続人も相続人も高齢者である相続のことはまったく珍しくありません。

この「老々相続」で何が問題になってくるのかをみてみます。

 


昔は兄弟が多く、5人以上の兄弟も普通のことでした。

 

例をあげます。

かなりの高齢で亡くなられた女性、結婚されたことがなく、亡くなるまで独身、子どももいません。

この場合、相続人は、この女性の兄弟姉妹となります。

 

5人兄弟姉妹の真ん中だとします。

長男はすでに亡くなっているため代襲相続がおき、その長男の子3人が相続人です。

長女はさらに高齢で、認知症で特養に入居しています。

妹は、健康で普通に家族で暮らしています。

弟は亡くなっていて、その弟の子2人がやはり相続人となりますが、そのうちの1人がどこにいるのかわかりません。

 

・・・かなり大変なことになっています。
 まず、遺言がなければ、遺産分けの話し合いが必要となります。

相続人全員が集まって話し合いをするのはかなり難しそうですね。

また、代襲相続による甥や姪は顔を合わせたこともほとんどない状況のため、ほぼはじめて会う人と突然お金がらみの話になります。


次に、認知症で特養に入っている長女は判断能力がないとみなされれば、遺産分割協議書や各書類にハンコも押せません。そのため成年後見人を立てる必要が出てきます。

また長女に法定相続分は残すようにしなくてはならなくなってきます。

 

次に、弟の子がどこにいるかわからないため本人を探し出す必要があります。

遺産分割協議の合意とその書類の署名捺印には相続人全員のものがそろわなければ無効になってしまうからです。

戸籍や住民票をたどっていったり、時には聞き込み調査をすることもあり、

どうしても見つからない場合には、不在者財産管理人を家庭裁判所に選任してもらうことになります


これは相当な時間と労力がかかります・・・

まず、誰がまとめるのか?

いつどうやって話し合うのか?

誰が手続きなどで窓口へ行くのか?

 

いや遺産分けの前に、

誰が喪主になるのか、亡くなった後の片づけは誰がするのか等から考えなければならなさそうですね・・・

 

さてこのようなご高齢の方の場合はどうしておくべきだったのでしょうか?

 

 

 →→遺言書を書いた方がいい人は?

 →→遺言書7つの誤解 その2