代表相続人とは?

人が亡くなって名義変更や解約等の諸手続きをするにあたって窓口で代表相続人を求められることが多々あります。


代表相続人になるのは通常、長男がなることが多いのですが、あまり深く考える必要はありません。

要は金融機関側として、

相続人がそれぞれ窓口に出向いてそのたびに手続きの説明や署名捺印をするのは効率が悪いから、

ということで、平日の昼間に役所や窓口に行ける人がなればよいことです。


・・・と言いたいところなんですが、こと預貯金の解約などになると問題になることがあります。


 

 ※預貯金は実務上、金融機関それぞれの決まった書式に相続人全員の署名捺印が必要になります。

 

 そのため、各相続人が窓口に行っても払い戻しは受け付けてもらえません。

 

特に、相続人全員の同意がないままその流れで長男あたりが勝手に代表相続人になることは余り良い状況ではありません。

 

印鑑証明を渡す前に必ず全員で話し合うべきです。

悪く解釈すれば、その代表相続人がみんなのハンコをもらった後に、解約預貯金等を独り占めしてしまうことも考えられます。

 

また、相続人になるのは一生で1~2度あるかないかなので

当然手続きもスムーズには進まず時間がかかることも多々あります。

 

そのうち、相続人の1人が

「何をどう進めているんだ、進捗状況はどうなっているんだ」と言い始めて

代表で手続きをしていた方は

「慣れないことを時間作ってなんとかやってあげているんだ」と

もともともめる要素のない家族でも、このようなことが原因となり「争族」に発展してしまいます。

 

ご相談の中でもよくあるのが、解約書類もしくは遺産分割協議書を突然送りつけて、

「とりあえずハンコ押して印鑑証明といっしょに返送してくれ」、というものです。

 

「まず解約して下ろさないと始まらないから」

「あとでみんなで分けるようにするから」


 実印を書類に押すのに「とりあえず」はないんですが、あとで騙された、といってもあとの祭りです。

充分書類の内容を理解してから署名捺印はするようにしてください。


大事なのは、お互いが納得して上で代表者を決め、

残高証明書や通帳を開示して、

移した預金通帳もほかの支払いとは全く別の相続財産専用のものを作成し、出し入れが明確になるようにすると明確です。

 

遺産分割の話し合いにおける議事進行も重要です。

代表相続人だからといって一人で全てを任せるには時間的にも負担が大きくなります。


公平性を保つためにも、信頼を置ける第三者がそこに介在されるといいのですが、

お金に関することなのでかたよったり、困難があります。

2度3度と大変でしょうが話し合いは充分にした方がよいです。
 
第三者を探す際には、士業でもそれぞれ得意分野があるので、

経験の豊富な方で手続き面はもちろん、心情面や家族関係面でもフォローしてくれる人にあたるとベストですね。

 

 

  →→”遺産”分割とか財産”調査”・相続人”調査”って大げさな気もするけど?  

  →→私が相続専門である理由