会社経営における運命の数字とは?
経営では自社株のシェア割合がとにかく重要になってきます。
大きな分け目として50%超、3分の2以上というものがあります。
いったいどこが違うのでしょうか。
1.普通決議とは
2.特別決議とは
3.注意点と結論
1.普通決議とは
株式シェアを50%超で持っていると、株主総会の普通決議を単独で成立させることができます。
普通決議とは、簡単に言うと多数決。
出席する株主の議決権の過半数を有することで決定できる決議のことです。
(逆に言うと残りの議決権を持つ「反対する株主が全員出席した」としても決議できる)
〈普通決議による主な事項〉
・会計参与および会計監査人の解任
・役員および精算人の報酬決定
・株式無償割当てに関する事項の決定
・余剰金の配当
・役員(取締役・会計参与・監査役)の選任
・役員、精算人の解任
・会計監査人の選任・解任・不解任 ・・・等
2.特別決議とは
株主シェアを3分の2以上(67%)で持っていると、株主総会の特別決議を単独で成立させられます。
経営者である人は自分と身内だけで3分の2以上でもっていることが必要で、
できれば自分単独で3分の2以上であることが望ましいわけです。
〈特別決議による主な事項〉
・株式併合
・募集株式の事項の決定
・監査役の解任
・資本金の額の減少
・定款の変更
・自己株式の取得
・相続人への売渡請求
・事業の全部(もしくは重要な一部)の譲渡、譲受、賃貸
・解散
・その他合併・会社分割、株式交換、株式移転 ・・・等
まとめると
事業承継において必須となる自社株を種類株式にするための定款変更をはじめ
今後事業をどうするかにあたって行う役員の解任や減資、
最終決断ともいうべき営業全部譲渡、合併、解散・・・
と経営に関するほぼ全てを決めることができる、というわけです。
3.注意点と結論
持分が50:50というのはデッドロック状態といって一番避けるべきパターンです。
相手の言うことをお互い否決はできるが、単独で決定できる人がいない、という・・・
ここまでくると自社株のシェアがどれだけ重要なもので
前経営者が亡くなってから考える、というのはどれだけのリスクを負うものかおわかりでしょうか。
あまり考えたくはないですが、身内や子がクーデターを起こす、ということもあり得ます。
突然相続が起きて経営者のもとから自社株が分散してしまったら?
高齢になって認知症になり、議決権を行使できなくなってしまったら?
これから事業を発展させていくことは当然、
事業をたたむにしても、M&Aを考えるにも議決権に満たないと前へ進むことができません。
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