遺産分けでもめてしまったら

誰かが亡くなって遺産分けの話し合いがまとまらないとどんなことが起きるでしょうか。

 

1.名義の問題

2.税制上の問題

3.経営上の問題

4.遺産分割調停

5.弁護士費用

 

6.新説 あきれる論 

 

1.名義の問題

 

当然、全員のハンコが揃わないと解約や名義変更ができないため預貯金は1円もおろせない。

不動産などの場合、売ったりの処分ができない。

株などがあれば配当金通知書が亡くなった人名義でずっと送られてくる。

 

貸している不動産があれば、どこに払えばよいのかわからず延々と賃貸料がプールされていく。

でも亡くなった人名義で固定資産税通知は来続けるので払わなければならない。

国としては相続手続きがどうなっていようがお金を払ってくれればそれでいいというスタンス。

 

何かの会員になっていた場合、その解約や脱退手続きを早めにしないと

それまでの月の会費や契約料などは払わなければならない。

同じく、会や組としては亡くなっていようが継続はしていたのだから、

その分お金を払ってくれればそれでいいというスタンス。

 

 

2.税制上の問題

 

配偶者控除(配偶者が取得する遺産に対しては財産の半分まで、もしくは1億6千万円まで相続税がかからない)

小規模宅地の特例(同居していた実家の土地が330㎡まで2割の評価額で計算できるなど)

など税制上の優遇されているものが使えず、

法律で決められた分の相続税を全員で10カ月以内に現金で払わなければならない。

財産をもらってないから払わないという主張は通じず、完全に連帯責任での支払い。

 

相続財産(主に自宅などの不動産)を担保にして銀行から借り入れしている場合

融資内容を変えたり見直しをしようとしても、

相続人全員のハンコが必要になるために、実質融資ができなくなったり止まったりする。

 

 

3.経営上の問題

 

社長など役員なら自分の会社の株を多く持っているはずだが

その株の決定権が完全に宙に浮いてしまい、実質、会社継続が困難になる。

 

責任の所在も不明になるため、信用を失い、銀行をはじめ取引先が手を引いていくことが考えられる。

当然従業員たちもそのままついていくのが難しいと考える。

 

分社になったり最悪そのまま廃業となる。

 

 

4.遺産分割調停

 

家庭裁判所に戸籍や財産に関する証明書類をそろえて申し立てる。

調停にいけばうまくいくと思っている人は多いが、

第3者(裁判官ではない)が「話を聞いてくれる」「基本を説明してくれる」だけで、

結局は相続人本人たちの合意にゆだねられる。

 

早めに合意すればよいが、月1回の調停がずっと続くことになり、まとまらなければ審判手続きに進む。

原則、事情は抜きにして法定相続分で分けるのみ。

 

 

5.弁護士費用

 

月1回の裁判が延々と続き、1~2年じゃ終わらないこともしばしば。

相続に詳しく経験豊富な有能弁護士さんに当たればある程度希望がかなう。

ただの弁護士(無料相談で連れてきたような)にあたると完全な費用倒れに終わる。

 

また、どんな裁判でもそうだが、

裁判費用は負けた側が負担する、みたいな誤解があるが裁判にかかる手数料のことで弁護士費用は基本別。

 

弁護士は高いだろうから他の士業に安く任せたい、と思っても紛争を扱えるのは法律上弁護士のみ。

ある程度お高めで介入してくれる士業はいるかもしれないがそれはブラック士業。

弁護士報酬はざっくり財産対象額の10~15%くらい、をみんな払おう。

 

 

6.新説 あきれる論

 

で、でなんですけど ”もう間に合いません” の

1位。

印鑑証明書と実印預けちゃった。それはすべて解約振り込み終わってます。完全OUTですよ。

 2位。

文章の内容よくわからないけど署名捺印しちゃって印鑑証明渡した。ほぼOUTです。

3位。

実印とか渡してないけど同居していた兄がほとんど動いてるみたい。

 

これはどこかの銀行で定期預金があったり、株や証券会社、信託銀行が絡んでいたらストップしてます。

銀行普通口座のようにキャッシュカードと暗証番号だけで下せないので。

 

ここなんですね。

すべて解約も自分口座への振り込みも、自分の思うとおりにできてきた兄。

口座を把握しているのは自分だけで黙ってればわからないだろうです。

 

でも相続人全員の協力がないと解約できない口座たち。

 

私たちの出番ですね。

 

我々も弟から委任状いただいて各会社まわり口座調べ、ぞろぞろ出てきたのを表にするわけですよ。

よく集めましたね、と。どこに振り込んだかもよく調べましたね、と(by弁護士)

さすがに慣れてますから!

 

 どうせわかるからむだに隠すな。

立場が悪くなり、士業代が無駄になる。

なにより亡くなった方はそんなの望んでいない!!!!!

 

相続でもめるのは、まったくもってくだらないので、今回は冷たく書いてみました。

以上。

 

 →→超訳!遺産分割でもめる理由

 →→私が相続専門である理由