「税金を減らすために賃貸不動産を建てましょう。」
利便性の高いところにある程度の広い土地を持っている方は、
大手の建設業者が銀行などと一緒になって、節税目的での収益不動産として
「アパートを建てましょう」とセールスされた経験があるのではないでしょうか。
たしかに広めに更地で持っていると固定資産税も高いです。
でアドバイスはこう。
「アパートを建てることで、家賃が入って不労所得ができますよ」
「不動産の評価額が下がりますよ」
「借り入れ分は相続財産からマイナスにできて相続税は節税になりますよ」
「銀行も喜んで融資しますから現金も持ち出しはありませんよ」
「な~~にも心配ないのでお任せください}
といった感じです。
え,え,え、本当に?!?
なんだかいいことづくめのように思えますが、様々なリスクがあります。
銀行などで借りれば当然返済する必要があります。→当たり前
家賃収入が減っても返済額は変わりません。→当たり前
時間がたてば大掛かりな修繕費用も必要になります。→当たり前
空室があっても家賃は業者が保証する「一括借り上げ」という契約もありますが、
(基本大手はこれです)
もともと建築費用が上乗せされていたり、定期的な修繕なども義務付けられ、→聞いてない
広告費を入居者募集のたびに請求されたり、→そんなか
保証期間がすぎれば入居者が半分になっていた、など
業者が悪質な場合、基本的にその言いなりになる契約も多くみられます。→やはりか
収入プラン、返済プランがしっかりできているのならば有効な対策ではあります。
しかし
八王子(!出た)などまさにそうですが、根本的に家賃を高くとれない地域であったりすると
(渋谷に建てても上野原に建てても建築費用はほぼ変わりません)
アパート経営自体がかなり難しいものになっているのが現状です。
八王子は取れませんよ。うちの親もやってましたから。いくらでもいっちゃう。
プランが絵に描いたモチになってしまい、
何十年払い続けてもまったく返済しきれないとか、よくある話です。
八王子で賃貸物件にして家賃収入を・・・と言っていたら相当ひどい業者です。
じゃ、あんたがやればという。
そしてその計画も、相続が始まれば借金返済は相続人に引き継がれることになります・・・
銀行はお金を貸すのが仕事です。
建設業者は家を建てるのが仕事です。
不動産やさんは管理料、紹介料をもらうのが仕事です。
で、で!!
お金を払うのはいろいろ勧められた家主です。
後で言われるのも家主、その一族です。
お金を出したり相談の表舞台に立つ人たちは
建てた後の「大家さんの生活や相続がどうなるかを考える」のが仕事ではありません。
考える義務もありません。
「相続対策」とは~税金を安くする~ことばかりではありません。
相続「税」対策は相続対策のほんの一部にすぎません。
更地で評価が高くなってしまうのならば、貸し駐車場にして
いざとなったらすぐに撤去・売却できるようにしておくほうがリスクが少ないようにも思えますし。
(ただ、ジャリを敷いただけの駐車場の場合、相続税評価は更地計算となるので注意)
まずは土地の評価額も含めて
建築費と収入プランは適当か、
相続税などは現在だといくらで、今後どうなるかを
まずは業者とは別に詳しい人に相談したほうがよいでしょう。
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